
PCがウイルスに感染して被害を受けたというニュースはよく聞くのですが、スマホではあまり聞きません。スマホはウイルスに感染しないのか?またスマホにアンチウィルスソフトは必要なのか?を解説します。
スマートフォンはWindows PCよりウイルスに感染しにくいのか?
結論から言うと、一般的には「感染しにくい」と言えますが、100%安全というわけではありません。
理由1 OSの構造の違い
Windowsは昔から「オープンな環境」であり、ユーザーが自由にソフトウェアをインストールできます。一方、iOSやAndroidはアプリをApp Store、Google Playストア経由で管理しており、基本的にストアの審査を通ったアプリしかインストールされません。これにより、不正なアプリの混入が比較的少なくなっています。
理由2 サンドボックス化
iOSやAndroidは「サンドボックス」と呼ばれる仕組みを使い、アプリごとに独立した環境を作ります。仮に悪意のあるアプリをインストールしても、他のアプリやシステム全体に影響を与えにくい設計になっています。
これに対してWindowsは、昔から互換性を重視しており、アプリがファイルシステムや他のプログラムと連携しやすいように作られています。そのため1つのウイルスがシステム全体に影響を与えるリスクが高いです。
「アプリを安全な箱の中で動かす仕組み」のこと。この箱の中では、アプリが他のデータやシステムに影響を与えにくくなるので、ウイルスや不正な動作を防ぐことができます。
理由3 市場シェアの違い
Windows PCは世界中で圧倒的なシェアを持っており、ウイルスを作る側にとって「標的にしやすい」存在です。一方、スマホはAndroid、iOSとの競争があるため、攻撃者にとっては狙いにくい環境です。
スマホにアンチウィルスソフトは必要か?
基本的に普通に使う分には不要です。
不要な理由
- App Store、Google Playストアのアプリは審査されている(完全ではないが、リスクは低い)
- Androidには標準でGoogle Playプロテクト(不審なアプリをスキャンする機能)がある
- 最新OSにアップデートしていれば、脆弱性対策が施されている
ただし、以下のような場合は注意が必要
- App Store、Google Play以外の不審なサイトからアプリをインストールする(いわゆる野良アプリは危険)
- フィッシングサイトに騙されて、不審なアプリをインストールする
- 古いバージョンのスマホを使い続ける(セキュリティ更新が止まるため)
こういったリスクを避けるために、「App Store、Google Playストア以外のアプリを入れない」「怪しいリンクを開かない」「OSを最新にする」といった対策をすれば、基本的にアンチウィルスソフトは不要です。
また各ストア経由のアプリであっても、アプリに権限を与える場合はよく考えてから与えるように。(例えばカメラアプリではないのにカメラのアクセスを求めてくる場合などは注意)
まとめ
- スマートフォンはWindowsPCよりウイルスに感染しにくいが、100%安全ではない
- 基本的にスマートフォンのアンチウィルスソフトは不要(App Store、Google Playストアを利用し、怪しいアプリを入れなければ大丈夫)
- 野良アプリやフィッシング詐欺には注意が必要
特に、古いスマホを長く使っている場合はセキュリティリスクが増すので、定期的なOSアップデートが重要です。